子どもたちの不登校の中で、もっとも多いのが中学生の不登校です。
さまざまな心配がありますが、中学は義務教育ですので卒業は必ずできます。
たとえ一日も出席できなくても、中学卒業資格は得られます。
また、公立中学の場合、高校受験がとても心配ですが、
近年は不登校児を受け入れてくれるさまざまなタイプの高校があります。
必ず、どこかの高校には入れますので、決してあきらめることなく、
わが子に合った高校を探しましょう。
●チャレンジスクール(東京都)
中学時代の不登校や高校の中途退学などで、これまで自分の能力や適性を十分に生かしきれなかった子を対象にした高校。
自分で目標を持って再チャレンジしようという意欲のある子を求めているので、毎日通える元気があるかどうかが重要になります。
三部制 ( 朝始業、午前中始業、午後始業 ) 、単位制というスタイルで、朝が弱い子にも配慮しています。
主に不登校経験者を対象にしているので、普通高校よりは配慮がされていますが、あくまで「通えること」が大原則。
現在都内に6校設置されています(今後、立川と八王子に新設されます)。
内申点が低くても受験することが可能で、入試は
「志望申告書」「小論文」「面接」の3つで、学科試験はありません。
中堅以下ではありますが指定校推薦もあり、大学へ進学できる可能性もあります。
●エンカレッジスクール
「エンカレッジ」とは「力づける」「励ます」「勇気づける」といった意味があります。
チャレンジスクールとの違いは、何らかの事情で学力をつけられなかった子のために、きめ細やかな対応をしてくれるという点です。
指導の目的は
「社会生活を送る上で必要な基礎的・基本的な学力を身につけること」。
習熟度別、少人数制指導で、中間・期末試験はありません。
都内に5校あります。
●トライネットスクール
・時間などの理由で、全日制・定時制課程で学べない生徒のための
セーフティネットである通信制課程。
・インターネット等の情報通信技術を取り入れた教育(電子メールによるレポート提出・添削等)
・既存の都立高校ネットワークの連携(自校に施設がない実習科目等の
幅広い設定等)
以上の3つのネットを活用して、自己実現に挑戦する学習を支援する目的で設置された通信制高校。
現在、都内には1校のみ。
●定時制高校
公立高校の場合、「定時制高校」も、実質的に不登校児の受け入れ校になっています。
定時制高校というと、以前は、夜間に仕事を持っている人が通うというイメージでしたが、現在の定時制高校は朝、午後、夕方からそれぞれ授業が始まる
「3部制(4部制の場合もあります)」をとっています。
朝、起きるのが難しいお子さんには、午後から授業が始まるクラスを選択することが可能です。
○通信制高校・サポート校
高校には、「全日制」「定時制」「通信制」の3つの形態があります。
そのうちの一つが通信制高校です。学校に通うことなく自宅で勉強できる、という意味で外に出ることが難しい子には向いている学校です。
とはいえ、自分の意志で自宅学習を続けるのは難しい面もあります。そういった子のために、通信制高校の学習を手助けする
「サポート校」という形態の学校があります。
通信制高校の多くには「スクーリング」という制度があり、週に一度、または年に何日間か、といった形で学校に顔を出す必要があります。
サポート校は、本人のペースに合わせて、週に何回か通うというスタイルになります。基本的には個別指導になることが多いといえます。
フリースクールは学校以外の子どもたちの居場所をになるところ。
学習サポートをしてくれるところもありますが、基本的には「居場所」の提供です。
NPO法人だけでなく個人で経営することもできる、いわば「私塾」のようなもの。
さまざまな特徴を持つフリースクールがありますが、基本的には勉強の指導については
あまり期待しない方がよいように感じます。
ただ、中にはサポート校と同様に通信制高校と提携しているところもあり、高卒資格を
得られるフリースクールもあります。
正式名は「高校卒業程度認定試験」といい、以前は「大検」といわれていた制度。
高校に行かなくてもこの検定試験に合格すれば高校卒業と同等に見なされ、
大学進学や各種学校進学、就職、資格試験などの際に有効です。
試験科目は8~10科目。
年に2回受けることができます。
自分でしっかり勉強してもよいし、サポート校や通信教育などを利用してもよいでしょう。
(ご参考)文部科学省ホームページ
↓↓↓
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/
※上記以外のいわゆる一般の私立高校でも、不登校児を受け入れてくれる高校があります。
高校では「不登校児だった」という配慮は必要ないと考える場合は、
一般の私立高校を探してみるというのも一つの方法です。
(例 : 昼夜逆転していない、たまたま中学は行けなかったけれども
高校からは朝からちゃんと通う気持ちが強い、といったお子さんの
場合など)
希望する条件で絞込み、事情を説明して、現在不登校でも
受験することができるかどうか電話やメール、個別相談などで確認しましょう。